大胆な対談・第十三部「七つの名(推定)を持つ漫画家」

(ま)6年のご無沙汰でした、皆さんおかわりございませんか〜?
(辰)またいきなり誰に言ってんだよ?
(ま)いや〜、実は2010年にドメインを変更してホームページもリニューアルしたんですが、1996年のホームページ開設以来、それまで何も考えずに更新していたもので、改築に改築を重ねた温泉旅館みたいに、新館と本館の間に妙な段差があってけつまづいたりするような、何がなんだかわからないようなサイトになっていまして、ドメイン変更のついでにえいやっと思い切って仕分けをしたんですが、その中に2004年以来更新していなかったこのコーナーもあったんですよ。
(辰)グダグダと何言ってんだよ?もう少し考えてからしゃべれよ。
(ま)つまり、サイトリニューアルにともない消えてしまったこのコーナーを読みたいんだけどどうなってるんですかと、読者から問い合わせがあったんですよ。
(辰)少ない読者からの問い合わせだろ。
(ま)あんたのマンガの読者よりは多いですけど。
(辰)ほっといてくれ!
(ま)とまァ、そんなわけで、この「大胆な対談」コーナーは6年ぶりの更新なんスよ。
(辰)ふ〜ん、そういえば第十二部は2004年の更新で、それ以来ってことか。
(ま)で、6年間お元気でしたか?
(辰)6年か...小学生なら入学して卒業してしまう年月だな。
(ま)なに遠い目つきしてんですか。そのぶんじゃ別にたいしたことはなかったみたいですね。
(辰)うん、自分自身はあんまり変わらないが、まわりが変わったかな。
(ま)たとえば?
(辰)担当編集者がこの数年、かなりの数いなくなったんだよ。
(ま)失踪?
(辰)いや、定年退職でいなくなった。
(ま)そんなお年頃なんですね。
(辰)そのてん漫画家は定年がないからいいな。
(ま)退職金もないですけどね。
(辰)失業保険もないしな...。
(ま)だんだんうつむいてきましたね。
(辰)定年後、再就職してがんばってる人もいれば、悠々自適の晴耕雨読生活の人もいたりして、人それぞれだわな。
(ま)あれっさっきからなにもじもじしてんですか?名刺なんか握りしめて?
(辰)私、新人漫画家のターツ小田と申します。
(ま)なんスか、これ?
(辰)だから名刺だってば。
(ま)それは、見りゃわかりますよ。で、誰なんですか、ターツ小田って。
(辰)だから、新しいペンネームなんだよ。
(ま)これまでも、おだ辰夫、ODA-SAN、というのがありましたが、また新しいペンネームですか?
(辰)ほんとは、まだ他のペンネームを使っておるのだが、とりあえずはこれで三つ目。
(ま)えっ、他にもあるんですか?
(辰)うん、ネットで検索したらひっかかったりするので面白いよ。
(ま)いったい何のために?
(辰)う〜ん、べつに意味はないよ。葛飾北斎もたくさん名前を持ってたしな。
(ま)また、葛飾北斎とは大きくでましたね。
(辰)で、このターツ小田は2010年に誕生したばかりの最新のペンネームなんだよ。
(ま)それで、名刺を渡そうとしたんですか。でも、いらないっスよ、そんなもの。
(辰)そうか、実はまだ1枚もこの名刺を手渡したことないから、今日こそはと思ったんだが。
(ま)えっ、じゃあまだターツ小田って世間には知らせてないんですか?
(辰)い、いや、漫画の新聞というサイトでマンガをかくときのペンネームなんで、知ってる人は知ってるんだが。
(ま)編集部の人と会った時に名刺は渡さなかったんですか?
(辰)だって、編集部の人と会ったことないんだもん。
(ま)ないんだもんって、なにカワイコぶってんですか。
(辰)うむ、ネーム打ち合わせはpdfでやって、原稿はpngで渡す、といった案配で実際に対面したことはないんだよ。
(ま)ふ〜ん、それじゃあ、名刺を渡す機会はないですね。
(辰)ああ、それんたぶんこのペンネームは、いまのところ漫画の新聞専用だから、半永久的に名刺を渡す事はないな。
(ま)で、他にもまだペンネームはあるんですよね?
(辰)うん、おめでたいペンネームをひとつ今あたためているところなんじゃ。
(ま)あたためるって、作品の構想ならいざしらず、ペンネームなんかあたためてどうすんですか!
(辰)おお、なかなかいいこと言うね。
(ま)おだてても、何も出ませんよ。それにしても6年ぶりの更新だってのに、こんなくだらない話題であきれますね。
(辰)御意。


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